2010年に開催した武井豊子の仕事展「松本紬へ、深く。」
御礼
期間中は足元が悪い中にもかかわらず多くの方々にご来場いただきまして誠にありがとうございました。心から御礼申し上げます。総来場者数は約1,300名様を超え最終日には540名様の方がお見えになり、個展では美術館始まって以来らしく急激に会場の酸素濃度が薄くなってしまい急きょ設備の方が会場に大きな器具を運んで酸素濃度を調べ空調を調節しなければならない事態になりご鑑賞されていた皆様には驚きとたいへんなご不便をおかけしてしまいました。
この場をお借りしましてお詫び申し上げます。
会期中たくさんの方々とお話しをしている中で皆様から松本紬に寄せられている思いを感じ、恩師である故永井千治先生が目指していた松本紬の素晴らしさそして深さを実感した仕事展でした。会場ではたくさんの出会いもありました。お会いしたくてもなかなかお会いできなかった方々とようやくお話しができたことも嬉しいできごとでした。その反面予想以上の来場者数のために一部の方々とはゆっくりとお話しもできなかったこともありたいへん心苦しく思っております。またお若い方が興味深そうに熱心に見入っている姿には明日の種や芽を見た思いがしました。和服姿の方々も大勢ご来場いただき、するとその場の空気がぱっと華やかになり思わず見とれてしまうこともありました。やはりこの松本という土地柄には和服はぴったりの風景だと改めて感じました。
松本市が制作した伝承ビデオに見入る人も多く「織るまでの工程がこんなに大変だとは思わなかった。そして訪問着をあらためて見たら涙が出てしかたがなかった」そう話しながら目を潤ませてくださるご年配の方が数人いて、その都度私も胸がつまり私はたくさんの宝ものをこの仕事展でいただきました。それにお返しをする意味でもこれからも精進しようと心に誓いました。
これからもどうか皆様のお力をお貸しください。
ありがとうございました。
2010年4月 春の息吹の中で 武井豊子